こちらの記事では、ライブハウス店舗をつくるときの
不動産物件の探し方などを記載していきます。

かつて、新店舗のライブハウスを立ち上げようとして
遮二無二に不動産屋さんをまわり店舗物件を探し続けたことがありました。

たくさんの不動産屋を自分の足でまわっていったんですが、
なかなか良い物件が見つからずに1年近くが経過していきました。

かなりの数の不動産屋をまわっていきました。

よくよく考えると、最終的に決まった不動産物件は、
当初に頼んであった大手不動産会社の担当者の方が見つけてきてくれた物件でした。

ザーザズー店内図
上記の感じっすね。(ただ…2021年現在はコロナ禍で閉店となりました。)

なので、自分で足を使って探すことはもちろんですが、
信頼できる不動産会社担当者さんを見つけて、探してもらうことが大切かと思います。

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もちろん、
個人事業主などだとしたら不動産会社の方も

「物件みつけても、審査で落ちちゃうんじゃないかな?」

などと思ったりするので、キチンと自身の信頼を示せる状態をつくることが大切です。
(大手法人の担当者であれば、それだけで信用となります。)

ライブハウスの物件を探す時の条件は、

  • 消防法の基準を満たしてる
  • ビルの地下物件である。
  • 天井が高い
  • 家賃が適性
  • 立地

などがあります。

それぞれ個別で解説していきます。

消防法の基準を満たしてる

消防法の基準みたしてないと、そもそも営業許可がおりないです。

かつての高円寺に合ったライブハウスギア・二万ボルトみたいに、何かあった時に閉店せざるを得なくなる。
(非常口が二箇所あることが、飲食店として最低条件)

ギア・二万ボルトの場合は、お店がはじまったのが相当昔だったりして、
火災事故の後に、改めて現在の消防法にひっかかり同じ場所での再出店ができなかったのだ。
(現在は東高円寺で、当時のスタッフにより二万電圧として運営中)

そして、
定期的に消防設備点検も入るので、都度対応が必要です。

天井が高いこと

天井が高い物件はとにかく有利だ。

逆に天井が低いライブハウスは、ステージ高がつくれないことにより、
来場客がライブステージを見れない、という事態を招くリスクあります。
(クレームやリピート客の減少を招く)

天井高がある物件は、二階席をつくることすら可能となります。
渋谷サイクロンの天井高は、かなり豪華で開放感がある。PAブースは二階にあります。
参考:渋谷サイクロン

代々木laboは、フロア自体のスペースは広くないですが、
その素晴らしい天井高を活かして、二階席をつくることで成功しています。
参考:代々木labo

家賃が適性

家賃は相場よりも安ければ安い程いい。
ただ、安くて良い物件なことが重要。

坪単価が、場所により相場があるので、それにそって検討する。

僕が物件探してる当時2003年頃は、山手線・渋谷-新宿エリアで、
駅近物件だとしたら、坪単価1-3万円くらいだった。

現在は、経済不況もあるのでもっともっと安いだろう。
(この記事を初稿した2013年当時の話です。)

もちろん、安ければ安いほどいい。

店舗用物件としては、安いことにそんなにデメリットはない。
(住居用だと、色々勘ぐってしまいますが…)

2013年現在は、特に東京都内はオフィス物件が空きまくっている状況なので
不動産会社も(借り主としての信頼を得れれば)話を聞いてくれやすいと思います。

そして、
空き物件多いということは、
借り主少ないので家賃交渉も可能であると考えます。

ライブハウスとしては広すぎる物件などを見つけた時

狭すぎる物件は、キャパシティの部分で躊躇せざるを得ないですが、
広すぎる物件の場合は、工夫することによって展開することが可能です。

渋谷LUSH・渋谷HOMEの物件は,広すぎるスペースを使い2店舗つくった成功例と言えます。
参考:渋谷LUSH
参考:渋谷HOME

立地

ライブハウスは、
基本的に見たいライブを求めてオーディエンスがやってくるものなので、
そこまで駅近である必要性がありません。

むしろ、駅から若干離れていても、
近隣の理解あるエリアだったり、苦情対策が万全にできる物件の方が良いです。

ただ、どこのエリアにつくるかは要検討が必要です。

渋谷につくるライブハウスと、立川につくるライブハウスでは、
当然ながらマーケティングや店舗スタイルも全く違うものになります。

目標とすべき売上金額も変わりますし、
稼働日数(基本的には毎日)と、稼働時間帯も変わります。

渋谷・新宿・池袋エリアだとしたら、
基本的に毎日稼働しつつ、
週末はそれなりの深夜営業も視野にいれなければなりません。
(集客し易い立地だが、家賃が高いことがポイント)

その他の考慮事項

立地とも関係しますが、
騒音や振動、近隣へのたまり苦情などの部分を充分に考慮しておく必要があります。

かつて、騒音による振動で、ビルに住む住民から裁判になり、
本当に営業停止せざるを得なくなったライブハウスが、結構数存在します。
(僕の周りの知人も、裁判で数か月でライブハウス閉めて大損害になった話がリアルにあります。at 池袋)

そして、
店舗が集客増えれば増えるほど、人が集まるので
人が集まりすぎることに寄る苦情が絶えません。
(たまり問題)

たまりの対応は、切っても切れないので、
ある程度は覚悟しつつ、近隣へのケアしつつ営業するしかないです。

2021年現在はコロナ禍で大変…

久しぶりに追記です。

2021年現在は新型コロナウイルス感染症の影響で、ライブハウスは悲惨な経営状況だと思います。
僕は既に多ジャンルの仕事をしているので、身近で見てる状況ながら…)

ただ、コロナ禍が収まって、再び人が集まることが無理ない世界が訪れれば、
またライブハウスがより人々に重要なものとして利用されると思います。

テナント・物件も2021年4月現在は空きまくってきてるわけですし、
コロナ禍終息後に、また良い時代が来るのを期待したいですね。

それまで、まずは生き延びようぜ!!
(切実)